済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。
100年以上にわたる活動をふまえ、今、三つの目標「生活困窮者を済(すく)う」、「医療で地域の生(いのち)を守る」、「会を挙げ、医療・福祉の切れ目ないサービスを提供する」を掲げ、日本最大の社会福祉法人として全職員約62,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
北海道済生会は、大正13(1924)年7月に支部が設立され、同年小樽市手宮に済生会小樽診療所、同15(1926)年に函館診療所、昭和5(1930)年に札幌診療所を開設しました。このころの北海道における救療施設は済生会、自治体、日赤、北社協、ほか13施設に過ぎず、この中で済生会の診療所は大きな役割を担っていました。
その後、診療所を閉所する一方で、昭和27(1952)年12月には済生会小樽北生病院(現済生会小樽病院)を新設。北小樽に継続的に医療を提供し、今日の済生会小樽病院へと発展しています。
平成8(1996)年5月には、社会の要請により老人保健施設はまなす(左下)を開設し、平成14(2002)年10月には、国の要請により国立療養所小樽病院の委譲を受け、済生会西小樽病院及び重症心身障害児(者)施設みどりの里(右下)として開業しています。
平成22(2010)年、各施設の老朽化と狭隘化から施設整備が喫緊の課題となっていたことから、同3月に北海道済生会各施設の将来あるべき姿を示す「第一期北海道済生会基本構想」を策定し、本会の事業拠点を小樽市北部から駅や商業施設集約されている南部の築港地区に移し地域包括ケアシステム構築に向けたまちづくり計画を推進するとともに、本会事業の選択と集中化を図り、小樽病院とみどりの里を移転統合し西小樽病院を廃院することとしました。
平成25(2013)年8月には新小樽病院が開業、令和2(2020)年9月には小樽病院と統合する形でみどりの里の移転が完了し、総病床数378床の新たな医療福祉施設が誕生しています。
同年7月、地域包括ケアシステム構築を見据えたまちづくりを推進する中で、株式会社小樽ベイシティ開発様との間で、小樽築港地区におけるウエルネスタウン構築に関する協定を締結。これを踏まえた第二期北海道済生会基本構想策定後、令和3(2021)年3月には大型商業施設ウイングベイ小樽に、当地域の地域包括ケアシステムの中心的役割を担う済生会地域ケアセンターを済生会小樽病院から移転し、新規事業として発達支援センターきっずてらすを開業しました。同時に地域の課題解決のための健康福祉ゾーン済生会ビレッジを開設しウエルネスタウン構想の基幹事業をスタートさせています。